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2016年10月29日


Periodontics in East Asia
International Session B003-3
Byung Do Ham
Interrelationship of Implant Failure and Unpredictable Healing of Extraction Sockets
インプラントの失敗および予測不可能な抜歯窩の治癒の相互関係
In the 23rd General Meeting of JADS 2016, clinical cases of  " interrelationship of implant complications and unpredictable healing of extraction sockets " will be introduced. Suggestions through this presentation may be used to categorize more precise etiologic factors of implant complications especially in case of immediate socket placement, extraction socket management, and sinus augmentation with xenograft bone materials by comparing clinical findings with histological results.
2016 年 第23 回目日本歯科医学会総会(本大会)において「インプラントの合併症と予測不可能な抜歯窩治癒の相互関係」の臨床ケースを発表します。このプレゼンテーションを通じて、インプラントの合併症のより正確な病因因子の分類を提案します。特に、即時埋入における抜歯窩のマネジメントと骨造成剤によるサイナスリフトについて、臨床所見及び病理組織学的所見の比較症例を検討します

初期固定が得られていたはずなのに、脱落したインプラントや、固定が良好でも骨の新生がないケースなど、すべて病理切片のスライドを用いて鮮明なプレゼンテーションをされました。抜歯窩窩底ギリギリでは脱落するが、その2ミリメートル先までの埋入で固定良好なケースや、何度も脱落したケースの原因が、根管治療薬内に含まれる添加物、プロピレングリコールが原因であったこともわかりました。また、コラーゲンマテリアルの商品によってphがかなりばらつきがあるため、治癒に差が出ることも発表されていました。失敗からしか得られない事実ときちんと向き合った誠実なご発表でした。


2016年10月28日

Periodontics in East Asia
Fundamental Principles for Management of periodontal Disease and Deficiency in the Esthetic Zone
Paul P.Lin
Four major principles will be presented. Goals are to respect what patient's desire, implement practical procedures, produce predictable outcome and to preserve what are natural and good. Understanding 4 keys of the biology , namely, biologic width for seal, fibers for support , blood supply for survival and biotype for fate, one can better manage any periodontal challenge even in the esthetic zone.
歯周疾患とエステティック ゾーンでの欠損部の取り扱いの基本原則
Paul P.Lin
4つの基本原則についてお話します。ゴールは、患者様の希望を大切にし、施術を行い、予知性のある結果を作り出し、自然で美しい状態を維持します。生物学的4つの鍵、防御のための生物学的幅径、結合組織性付着、結果を左右する血液供給と遺伝子型、を理解することで、エステティックゾーンであってもどのような歯周病的挑戦であっても、よりよく管理することができます。
審美的要素、患者本人の希望、をとても大切に考えて治療をされる先生でした。プレゼンテーションでは、手術の動画がとても美しく、バックグランドミュージックもあり、リズミカルで楽しいご講演でした。文責:山辺優美子

Lecture001 Extracting Value from Big Data in Oral Health Care Services
Speaker : Helen Pauline Whelton UK
Lecture001「 口腔の保健医療サービスの大きなデータから価値を見出す」
健康システムの向上と患者のケアを改善するために、管理口腔保健と治療のビッグデータを使用する意義とは?
世界中の口腔ケアの配信システムは、患者の膨大なデータを保有しています。過去にはこれらのデータは、主に財政の管理との安全性のモニタリングのために使用されていました。 大規模な口腔保健医療システム データベースの使用は、口腔保健サービスの発展に関し、新しい視点を盛り込むことを可能にしています。例えば、分析は、次のように使われます;治療経過と反応の追跡、長期的ケアの成果をモニタリング、口腔と全身の健康の関連をリンクして探る、治療提供の報酬システムと健康の結果の影響を比較し、開業医の活動と患者の口腔保健成果にシステム デザインの変化がどう影響するのかを検討する、などです。効果的な病気の予防と侵襲的治療の低減を重視し推奨するためのフィードバックループを開発するためにこれらのデータを使用します。
このプレゼンテーションでは口腔保健サービスにおけるビッグデータの現在の使用の概要を説明し、疾病予防成功のための改善を容易にするための予防的介護の指標に基づく実験と患者様へのフィードバックのシステムの融合を目的とした、革新的な新しいプロジェクト (提唱) が提言されました。具体的なビッグデータの例で面白かったのは、Oral Bという電動歯ブラシをアプリと連携させて、世界中のどこで使われたか、平均使用時間、などがわかり、データ集積されるというものでした。
Dentauest(U.S.)、NHS(U.K.)UNITED CONCORDIAなど、様々なビッグデータの集積先が紹介されました。よければ皆さんものぞいてみてください。
文責:山辺優美子
What is the potential to use extensive repositories of administrative oral health and treatment Data to improve health system performance and patient care?
Oral care delivery system all over the world hold vast databases of patient data. In the past these data have been used largely for financial administration and monitoring probity.
Powerful interrogation of the large oral health care system databases is now enabled by developments of on analytics which can provide new insights into service rerated determinants of oral health.
For example analytics can be used to: track care processes and activity ; to monitor long term oral health outcomes associated with care; to link oral and general health records and explore the relationship between general health and oral health; to compare the impact of remuneration systems on treatment provided and health outcomes and to study the effect of changes in system design on practitioner's activity and patient's oral health outcomes. Potentially, we can use these data to develop a health outcomes feedback loop to encourage a greater emphasis on effective disease prevention and a concomitant reduction invasive treatment.
This presentation will give an overview of the current use of oral health services data, and describe an innovative new project (ADVOCATE) which aims to couple a patient feedback system with practice based indicators of preventive care to facilitate monitoring and improvement of success in disease prevention.

第23回日本歯科医学会総会
去る10月21日から3日間で開催された日本歯科医学会総会に、21日、23日の二日間参加いたしました。開会講演1 山中伸弥先生のご講演には、大会場役1,500名がぎっしり満席で、モニター会場がいくつか開設される、さすがの大人気でした。いくつかの学校から、学生さんも集団で参加しており、福岡の教育は長崎より簡単に刺激的な公演を聞きに行く機会が得られて、羨ましい思いでした。長崎にもMICE建設を考えていらっしゃるようで、できた暁には福岡までしか来ない様々なレベルの講演、公演が招致されることを期待しています。
 さて、山中先生のご講演ですが、有名なiPS細胞の、医療応用に向けた取り組みのお話でした。この細胞は簡単に言うと、無限に増えることができる、どんな細胞にも変わることができる、「万能細胞」ともいわれる細胞で、大量のシャーレの中で一度に多くの薬の試験ができ、格段に薬や治療法の進展のスピードがアップするものです。ただ、とても多くの人とお金がかかるそうで、ぜひ、人類の医療の発展のために、ご寄付をお願いしますと、フリーダイヤルをご紹介されていました。山中先生は、マラソンを走られることでも有名ですが、0120・80・8748(走れやまなかしんや)と覚えてくださいとのことでした。

 

2016年10月26日

日本デンタルショー2016福岡
この度、福岡で開催された第23回日本歯科医学会総会の併催として、平成28年10月21日(金)から23日(日)の3日間、日本デンタルショー2016福岡が開催されました。4年に一度の日本デンタルショーは、東京・横浜を中心に開催し、大阪では2回の開催をしていますが、今回は初めて福岡で開催することになりました。
日本デンタルショー2016福岡は、第23回日本歯科医学会総会が開催される福岡国際会議場・福岡サンパレスに隣接するマリンメッセ福岡を会場とされており、学会総会とデンタルショーがリンクした恵まれたロケーションとなりました。第23回日本歯科医学会総会の聴講と併せて、日本デンタルショー2016福岡では出展各社が主力とする製品の展示、製品にまつわる最新情報を提供すべく準備されていました。
デジタル技術の飛躍的な進歩の波は歯科にも押し寄せ、最新の機器に取り入れられています。また、最先端の材料や技術も投入され、従来からある分野の製品についても日進月歩の技術改革、製品改良が進み、先生方や患者様により優しい歯科医療器材が開発されていました。
日本デンタルショー2016福岡のテーマは、「歯科医療 未来と夢」とされています。会場へのアクセスとして、主要ターミナル(天神・朝のみ博多駅)やホテル日航福岡と第23回日本歯科医学会総会会場(福岡国際会議場・福岡サンパレス)と日本デンタルショー2016福岡会場(マリンメッセ福岡)をスムーズに移動できるように無料シャトルバスを運行されていました。
●朝日レントゲン工業株式会社
新型CBCT「SOLIO X」の登場
妥協のないパフォーマンスの高さ
最大FOVがφ90×91(H)mmでありながら設置スペース1.5m×1.5mのコンパクト設計
簡単で快適な位置づけと撮影フロー
新型センサーと独自画像処理技術で高画質化
●(株)インプラテックス
インプラントダイレクト、ピエゾサージェリー、アイデンティカブルー、サージカルキュレット、パワーエレベーター、トルクメーター100、K2バーティカルサイナスアプローチキット
●クラレノリタケデンタル株式会社
クラレノリタケデンタルでは、本年6月に発売された「クリアフィル メガボンド2」をはじめ発売以来好評である「パナビアV5」などが紹介された。
歯科用象牙質接着剤「クリアフィル メガボンド2」
歯科用コンポジットセメント「パナビアV5」
●ストローマン・ジャパン株式会社
ストローマンは本社をスイスのバーゼルに置く、インプラント歯科、修復歯科および口腔組織再生におけるグローバルリーダーです。ストローマンは世界の主要なクリニック、研究機関、大学と連携して、置換・修復・再生を目的とした歯科修復ソリューションのためのデンタルインプラント、インスツルメント、補綴物や口腔組織再生製品の研究、開発、製造に従事しており、70か国以上で製品とサービスを展開しています。
●株式会社モリタ
モリタ ブーステーマ「口腔のケアが全身疾患を救う」
創業100周年を迎え、新たなスタートとして、これからの歯科診療を提案している。
4つのキーワード
「歯周病・エンド」、「loT」、「訪問・介護」、「インフェクションコントロール」
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シンポジウム11
ブラキシズムを口腔と全身との関わりから再考する
生理学的要素によって形成される疾患多様性を考える
睡眠時無呼吸症候群から睡眠時ブラキシズムへ
ブラキシズムは夜間を中心とする睡眠時ブラキズム(Sleep Bruxism、以下SB)と日中のくいしばりを中心とする覚醒時ブラキズム(Awake Bruxism、以下AB)に大別され、歯科臨床では高い関心が
もたれています。SBは睡眠障害の範疇に含まれているが、睡眠障害の立場からはSBはメインストリームとはいいがたい。このような状況の中でSBへの対応を考えるとき、睡眠医学の観点からもSBが置かれている立場をもう一度見つめる必要があるでしょう。
歯科的対応を含め、全身との関連を検討し、ブラキシズム対応に関する新たな展開を探って行きました。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の病因病態は、解剖学的に狭小化した上気道が睡眠中に閉塞してしまうといった単純なメカニズムで説明されるものではありません。睡眠生理と呼吸生理が複雑に絡み合うがゆえに存在するOSASの疾患多様性を考えることは概念的に睡眠時ブラキシズムと治療戦略に通ずるものがあると考えられます。
生理学的要素によって形成されるOSASの疾患多様性を紹介されました。
咀嚼筋筋電図バイオフィードバックによるBruxismコントロール
ブラキシズムに対するマネージメントには、スプリント装着、薬物療法、認知行動療法などが挙げられます。
認知行動療法の一つであるEMGバイオフィードバック訓練によるブラキシズム抑制効果を紹介されました。開発した携帯型筋電計による覚醒時ブラキシズム、睡眠時ブラキシズムの抑制効果に加え、全身との関連の観点から、睡眠中の脳波の変化に見られる睡眠の質に及ぼす効果についても検討された。
自己観察と自己暗示法によるSleep Bruxismのコントロール
睡眠時ブラキズム(Sleep Bruxism、SB)は、歯や歯周組織、顎関節など顎口腔系に多大な影響を及ぼし各種の障害を与えています。また、睡眠障害の原因因子の一つとも考えられています。現在、SBそのもののコントロールは出来ないと言われていますが、40年来SBのコントロールを試みられてきています。自己観察と自己暗示法によるSBのコントロールの手順とその効果を発表され討論されました。

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第23回日本歯科医学会総会
メインテーマ 歯科医療 未来と夢
平成28年 2016年10月21日、22日、23日
福岡国際会議場 福岡サンパレス

シンポジウム9
インプラント治療とハード・ソフトティッシュマネージメント
インプラント周囲の骨や歯肉の状態をよくすること
インプラント治療には適応症の拡大、審美回復、長期の安定した予後の観点から多くの症例でインプラント周囲組織の環境整備、所以軟組織店骨の増勢が必要です。特にあごの骨の小さいアジア人にとっては、骨移植を応用することが多くあります。また厚い歯肉粘膜は骨組織の維持や審美回復に重要であります。欧米人に比べてアジア人は薄い歯肉を有する者の割合が低く、インプラント治療においては不利になりやすい傾向があります。
インプラント周囲への軟組織増生
インプラント修復治療において長期の予知性を考えるうえで、生物学的な観点からはインプラント周囲に構築した組織をいかに経年的に保存・維持できるか、また審美的な観点からは軟組織を含めた審美性の達成が求められ、治療のマネージメント上、軟組織量、形態をいかにコントロールするかが非常に重要です。歯周形成外科の手法を応用した軟組織増生について科学的根拠と診療について検証していった。
最小の外科的侵襲にて、生物学的、審美的にも満足しうる治療結果を達成しようとするとMIS (Minimally Invasive Surgery) が提唱されつつあります。すなわち、強拡大視
野で行う新しい手術術式により、患者の疼痛を軽減し、生物学的、かつ審美学的により有効な治療結果を獲得する試みです。
インプラント周囲の軟組織・骨移植におけるMISを詳述し、何症例に対する先鋭的な治療の実際を供覧しつつ、この意義について議論が深められた。
上顎臼歯欠損部インプラント治療において十分な骨量が得られない場合、頬側アプローチによる上顎洞底拳上術は確立された手術方法であります。しかし一方で、術後の腫脹や疼痛、感染といった偶発症の発生頻度が高いことが欠点となります。低侵襲に確実は剥離拳上が可能となる、超音波切削器具を用いた歯槽頂アプローチを紹介され、上顎洞底拳上術におけるイノベーションについて、症例を交えながら考察されました。
インプラント治療を受ける患者数は増加の一途をたどり、それに伴いインプラント周囲病も増加傾向にあります。インプラントは異物であることから上皮組織による被包化を受け、深いインプラント周囲溝を形成します。その結果として細菌バイオフィルムを形成することになります。感染の入り口はインプラント表面と軟組織の結合部分であり、これらをより強く結合させる技術革新が存在します。インプラントへの感染制御は今後の課題でもあり難題でもあります。
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山辺歯科 院長 山辺滋
山辺歯科
http://www.yamabe-dc.com/
院長 山辺滋

【略歴】
1992年03月
長崎大学歯学部卒業
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1992年04月
長崎大学大学院歯学研究科博士課程入学(顎・顔面・口腔外科学専攻)
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1996年03月
長崎大学大学院歯学研究科博士課程終了博士(歯学)の学位授与
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1996年04月
長崎大学歯学部附属病院第一口腔外科および歯学部
口腔外科学講座で文部科学教官助手として10年間勤務
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2001年04月
長崎大学歯学部附属病院新設のインプラント科併任
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2001年10月
日本口腔外科学会認定口腔外科専門医を取得
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2002年04月
山辺歯科開業
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2005年04月
長崎大学歯学部臨床助教授、非常勤講師
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2007年04月
長崎大学歯学部臨床教授
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