第23回日本歯科医学会総会 シンポジウム11 口腔外科専門医 インプラント専門医 山辺滋
シンポジウム11
ブラキシズムを口腔と全身との関わりから再考する
生理学的要素によって形成される疾患多様性を考える
睡眠時無呼吸症候群から睡眠時ブラキシズムへ
ブラキシズムは夜間を中心とする睡眠時ブラキズム(Sleep Bruxism、以下SB)と日中のくいしばりを中心とする覚醒時ブラキズム(Awake Bruxism、以下AB)に大別され、歯科臨床では高い関心が
もたれています。SBは睡眠障害の範疇に含まれているが、睡眠障害の立場からはSBはメインストリームとはいいがたい。このような状況の中でSBへの対応を考えるとき、睡眠医学の観点からもSBが置かれている立場をもう一度見つめる必要があるでしょう。
歯科的対応を含め、全身との関連を検討し、ブラキシズム対応に関する新たな展開を探って行きました。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の病因病態は、解剖学的に狭小化した上気道が睡眠中に閉塞してしまうといった単純なメカニズムで説明されるものではありません。睡眠生理と呼吸生理が複雑に絡み合うがゆえに存在するOSASの疾患多様性を考えることは概念的に睡眠時ブラキシズムと治療戦略に通ずるものがあると考えられます。
生理学的要素によって形成されるOSASの疾患多様性を紹介されました。
咀嚼筋筋電図バイオフィードバックによるBruxismコントロール
ブラキシズムに対するマネージメントには、スプリント装着、薬物療法、認知行動療法などが挙げられます。
認知行動療法の一つであるEMGバイオフィードバック訓練によるブラキシズム抑制効果を紹介されました。開発した携帯型筋電計による覚醒時ブラキシズム、睡眠時ブラキシズムの抑制効果に加え、全身との関連の観点から、睡眠中の脳波の変化に見られる睡眠の質に及ぼす効果についても検討された。
自己観察と自己暗示法によるSleep Bruxismのコントロール
睡眠時ブラキズム(Sleep Bruxism、SB)は、歯や歯周組織、顎関節など顎口腔系に多大な影響を及ぼし各種の障害を与えています。また、睡眠障害の原因因子の一つとも考えられています。現在、SBそのもののコントロールは出来ないと言われていますが、40年来SBのコントロールを試みられてきています。自己観察と自己暗示法によるSBのコントロールの手順とその効果を発表され討論されました。