日本口腔インプラント学会第32回九州支部学術大会 築山先生のご講演についてご
日本口腔インプラント学会
第32回九州支部学術大会に参加しました。
その中で、印象に残った築山先生のご講演についてご紹介します
表題は「エビデンスに基づく補綴主導のインプラント治療 -高い再現性と確実性を求めて-」です。
Evidence-based medicine(EBM)、エビデンスに基づく医療の提供を声高に叫ばれてもうかなり長くなりますが、エビデンスについてとても不勉強でしたので調べてみました。ご講演の中でこのようなレベル分類をお出しになりました。
そして、今回ご自分がお話しされている内容は、レベル6の専門家の考えであることを明らかにされたのちの素晴らしい症例の数々のご提示でした。
学会での発表、学会誌に載っている、無数の所説を、鵜呑みにせず、エビデンスの妥当性を慎重に判断しなくてはいけません。
レベルトップであるシステマティックレビューについて、最もわかりやすかった説明を引用します。
-研究に関する情報源には一次情報と二次情報があります。一次情報とは、ひとつひとつ
の研究結果がまとめられたもので、原著論文がそれにあたります。二次情報とは、複数の
原著論文をまとめたものあるいは原著論文を中立な立場な者が要約したものなどで、シス
テマティックレビューやメタ分析論文、ガイドライン、2 次情報誌の論文などがあります。
多忙な臨床医が効率よくエビデンスの収集をおこなうためには、質の高い二次情報を活用
することがポイントとなると考えられます。
システマティックレビューは、系統的総説とも呼ばれます。自分の意見と根拠を交ぜて
非系統的な方法で叙述的に書く従来の総説とは違い、科学的客観的な根拠だけを要約して
系統的に書かれた論文です。
システマティックレビューはその時点で入手可能な関連情報を集約したものといえるこ
とから、レビュー目的が自分の解決したい疑問と一致している場合はとりわけ有用といえ
ます。-(開原成允:JAMA医学文献の読み方;2001)
当院の院長は、ミーティングでよく、そのデータはどこから来ているのと問います。長年研究していたため、エビデンスの強度をふるいにかける見方が定着しているのでしょう。
今後も診療に役立てる文献や発表のエビデンスをしっかり吟味し、高いエビデンスに基づく理論を実践していけるようスタッフ全員で知識を共有していきたいと思います。
ブログ担当:山辺優美子