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2017年1月23日

最近、ご飯をよくかんで食べることが認知症の予防につながるなど、体にとってよい影響があることが知られてきました。しかし「よくかんで食べること」と「よくかみしめること」を同じと勘違いされてることもあります。

人が生命を維持するうえで上下の歯を接触させる最小限の時間をご存知でしょうか?

1日三回の食事の時間の合計が1時間と仮定します。上下の歯が接触している瞬間の合計は約9分だとされています。その他、食事以外に唾液を飲み込んだり、飲み物を飲み込んだりして歯が接触する時間は約8、5分。
したがって1日に約17、5分間の上下の歯を接触させることで咀嚼は十分にでき生命は維持できるわけです。
食事の時間以外に8、5分を超える歯の接触「かみしめ」のことを上下歯列接触癖といいます。

力いっぱいかみしめることイメージしてしまいますが、実際は無意識に上下の歯を軽く接触させるくせが長時間持続することを言います。

短時間強く歯をかみしめることよりも、無意識に長時間歯を接触させるほうがお口やその周囲組織に与えるダメージは大きくなるのです。

〜歯列接触癖の組織・器官への影響〜

持続的な弱い力がその人固有の組織の耐久力を超えると各組織に症状が現れます。

歯:  継続的な力による歯根先端の毛細血管の損傷により知覚過敏、歯髄炎、が起こりやすくなります。歯のすり減り、被せ物、歯、歯根の歯折、歯のくさび状欠損が起こりやすくなります。

歯周組織:  歯周組織の損傷により歯の動揺が起こりやすく、歯周病の進行を早めます。

舌、口腔粘膜: お口の中のスペースが狭くなりたえず歯と粘膜が接触することにより痛み(擦過痛、口内炎)が生じます。

顎関節、筋肉: 顎の関節と咀嚼筋の痛みが生じます(顎関節症)また肩こりや偏頭痛の症状も引き起こしやすくなります、

かみ合わせの感覚: 常にかみしめているため、歯根膜の感覚が敏感になりかみ合わせの感覚の異常が起こることがあります 。

上下歯列接触癖を直そう❗☆

いつも無意識にくちびるをしっかりしめ、上下の歯を接触させていませんか?

くいしばり は自覚していることが多いですが、歯列接触癖は弱い力で無意識に行っているために自覚していないことがほとんどです。上下のくちびるは軽く触れる程度にし、常に上下の歯を離すように意識しましょう!歯を離すことを書いた紙をあちこちに貼って、意識を持続させる工夫をしてみましょう!気になる方はぜひご相談されてくださいね。

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山辺歯科 院長 山辺滋
山辺歯科
http://www.yamabe-dc.com/
院長 山辺滋

【略歴】
1992年03月
長崎大学歯学部卒業
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1992年04月
長崎大学大学院歯学研究科博士課程入学(顎・顔面・口腔外科学専攻)
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1996年03月
長崎大学大学院歯学研究科博士課程終了博士(歯学)の学位授与
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1996年04月
長崎大学歯学部附属病院第一口腔外科および歯学部
口腔外科学講座で文部科学教官助手として10年間勤務
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2001年04月
長崎大学歯学部附属病院新設のインプラント科併任
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2001年10月
日本口腔外科学会認定口腔外科専門医を取得
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2002年04月
山辺歯科開業
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2005年04月
長崎大学歯学部臨床助教授、非常勤講師
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2007年04月
長崎大学歯学部臨床教授
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