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2014年10月28日

第23回 日本口腔感染症学会・学術大会に、参加してきました。
期間:平成26年10月25日(土)、26日(日)
会場:いたみホール
〒664-0895 兵庫県伊丹市宮ノ前1-1-3
会長 薬師寺 登
公立学校共済組合 近畿中央病院 口腔外科

歯科では外科処置が多く、歯科医療従事者はタービンによる切削や超音波スケーラーの使用などによって患者の血液や血液・膿が混入した唾液などの感染性物質に接触したり、飛沫を浴びる危険性が常にあります。さらに、治療に使用する多くの医療器具は患者の口腔内の感染性物質に触れるため、医療従事者・患者ともに感染のリスクは高いと考えられます。また、歯科治療では外来患者の感染症検査を実地することはまれであり、自覚症状のないB型肝炎、C型肝炎などの感染患者を見極めることはできません。歯科医院では一般の診療所以上に感染対策が要求されています。

口腔は消化管の入り口で思ったよりも常在菌が多いところであり術前の口腔ケアが注目されています。最近はエボラ出血熱やデング熱などのウィルス感染症が話題になっていますが、歯科口腔外科の領域では歯科処置に関しての血液を介したウィルス感染が話題になっていました。ウィルス感染に対応するためにはまず敵を知ることが大切です。

★口腔カンジダ症と口腔ヘルペス

口腔ケアは、う蝕、歯周病の予防だけでなく、周術期やがん治療に伴う口腔合併症、敗血症、誤嚥性肺炎などの全身感染症の予防の観点からも、注目されるようになってきました。
紅いカンジダ症に注意
がん治療では副腎皮質ホルモンが使用されることが多く、易感染性患者が多くみられます。紅斑性カンジダ症は口腔粘膜炎との見分けが困難で見過ごされやすいところが注意点です。
口腔ヘルペスの鑑別診断が重要
がん治療では口腔粘膜炎が多く見られます。粘膜障壁が破壊されると口腔カンジダが仮性菌糸を出して粘膜下に侵入し口腔カンジダ症を発症しますが、口腔粘膜炎との鑑別が困難で見過ごされやすいところです。易感染性患者ではヘルペスが併発することが多く見過ごすと重篤となる傾向があります。ヘルペスの鑑別診断は非常に重要です。
栄養状態の改善と口腔清掃が必須
Sonisの粘膜炎の5相で示されているように微生物が多ければ口腔粘膜炎は増悪し治癒が遷延します。また、口腔粘膜炎の増悪による摂食障害は低栄養状態をもたらし悪循環の始まりとなります。
カンジダ症の予防法
ナノ銀を応用したカンジダの予防法、カンジダ卵黄抗体を応用したカンジダ予防法があります。
いたみホール.jpg

ブログ担当:山辺 滋

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山辺歯科 院長 山辺滋
山辺歯科
http://www.yamabe-dc.com/
院長 山辺滋

【略歴】
1992年03月
長崎大学歯学部卒業
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1992年04月
長崎大学大学院歯学研究科博士課程入学(顎・顔面・口腔外科学専攻)
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1996年03月
長崎大学大学院歯学研究科博士課程終了博士(歯学)の学位授与
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1996年04月
長崎大学歯学部附属病院第一口腔外科および歯学部
口腔外科学講座で文部科学教官助手として10年間勤務
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2001年04月
長崎大学歯学部附属病院新設のインプラント科併任
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2001年10月
日本口腔外科学会認定口腔外科専門医を取得
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2002年04月
山辺歯科開業
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2005年04月
長崎大学歯学部臨床助教授、非常勤講師
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2007年04月
長崎大学歯学部臨床教授
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