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インプラントに取り組むにあたって
私は長崎大学歯学部第一口腔外科教室に10年間所属しました。しかし当時、長崎大学で同教室はインプラント埋入を好んでやっていませんでした。どちらかというと、他の施設で埋入され問題ある症例に対する摘出術を常としていました。摘出術の方が大きな手術で、患者さまへの侵襲が強く、大きな痛み・腫れを余儀なくされました。
また平成13年4月、長崎大学病院で初めてインプラント科が作られ、私はその初期メンバーでもあります。そのような経緯で、平成14年4月に山辺歯科を立ち上げるときには、人体に異物を埋入するインプラント治療に対して否定的でした。
開業医はインプラントに手を出すべきではないと考えていました。しかしながら、開業初年度から、患者さまは「口腔外科≒インプラント手術」というイメージで、山辺歯科を来院してくるケースを多く経験しました。そこで、各種のメーカーの講習会を受講しましたが、多くの講習会では誰でも簡単にできるインプラントという内容がうたわれていました。
添島義和先生との出会い
その中で、ITI(Stramman)インプラントの講習の故添島義和先生だけは、インプラント埋入を怖いもの、そして失敗例から教えられ「よく勉強し、慎重に丁寧に」という教えをいただきました。
それからは、インプラントに関して添島先生を師事し、勉強していくことになりました。また、添島先生が首謀する九州インプラント研究会の門をたたき、勉強させていただくことになりました。インプラント100時間コース、長崎から熊本まで月1回、片道4時間半かけて通いました。私のインプラントには添島先生の心が入っています。
インプラントは、慎重過ぎるほど慎重に
いまでも思います、早く安く簡単には、危ないと。ゆっくりじっくり吟味して、より良質なインプラント体を、きちんとした知識と技術のもと治療すべきです。そして、適正な料金をいただくべきであると。
インプラントは人体に入れる手術です。慎重に、安全に、そのためには少々時間や手間、お金がかかっても、良い方法を選ぶべきと考えます。