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2016年11月18日

エムドゲイン再生療法

エムドゲイン歯周病で顎の骨が溶かされて、歯周組織の破壊が進むと、治療が困難になります。当院では、骨の状態を調べた上でリスクがあると判断した場合は、早く治癒させるために、エムドゲインを使用した再生療法を行っています。

エムドゲインとは
エムドゲインは、外科手術の際に使われるゲル状の歯周組織再生材料です。豚の歯牙から抽出したエナメルマトリックスたんぱく質を主成分とし、再生能力があります。
このエナメルマトリックスたんぱく質は、エナメル質やセメント質等、歯を形成する重要な成分です。このことから、このタンパク質の研究開発が進められ、再生療法に応用されるようになりました。

エムドゲインの特徴

●失われた骨を再生する
エムドゲインには、人間の体がもっている本来の再生能力を引き出す作用があります。骨と歯肉の間にエムドゲインを注入すると、歯周組織の再生が始まります。欠損した骨を修復して、新しいセメント質や歯根膜を形成して、歯周病の進行を食い止めます。

●治りが早く予後が良好
エムドゲインは、 歯周組織を活性化し再生を促します。予後も良好で、長期に わたり好ましい状態を維持します。

●天然成分の素材
エムドゲインゲルは、豚の歯牙から抽出した天然由来の成分です。ウィルス等の混入を防ぐために欧州規格を採用し、食肉安全基準を満たし、獣医の検疫を受けた健康な豚のみを材料としています。

BLTインプラント

BLTインプラント
インプラント・システムは、世界中で100種類以上もあり、日本で使用されているのは50種類以下といわれます。それぞれ特徴や適応症例があり、どのシステムを導入するかは、歯科医師の判断に委ねられています。当院では、ストローマン社のBLTインプラントによるインプラント治療を行っています。

BLTインプラントは、世界的なシェアを誇るドイツのストローマン社が開発したインプラントです。このインプラントは、独特のデザインを採用し表面に特殊加工を施しているので、骨としっかり結合し咬み合わせの早期回復と予後が得られます。適応症例は幅広く、インプラント治療が難しいと診断された方でも、BLTインプラントを使うことでインプラントが可能な場合もあるので、インプラント治療を断られた方は一度ご相談ください。セカンドオピニオンとしてもご相談に乗らせていただきます。

BLTインプラントの3つの特徴

BLTインプラントBLTインプラントは、審美性と長期的な機能を追求したインプラント・システムです。ストローマンインプラントの特徴ともいえる、Bone Control Design(*1)を継承し、生体親和性のあるチタン素材を使うことで、骨との結合を促してオッセオインテグレーション(*2)を実現します。先端部に独自のテーバーデザインとセルフカッティング構造を採用し、骨が柔らかい症例や、審美性が求められる部位、初期固定が必要な抜歯後の治療に適したインプラントです。

*1 ストローマンインプラントはインプラントサーフェイスの骨伝導性、マイクロギャップコントロール、生体力学的インプラント設計、生物学的な距離を考慮、研磨面・粗面インターフェイスの位置、以上5つの原理に基づいたBone Control Designを採用しています。
*2 オッセオインテグレーションとは、チタンと骨が結合することです。強固に結合することで、天然の歯のように硬い物でも咬めるようになります。

独自のデザインと加工
テーパードデザインと、セルフタップ構造により、先端のスクリューネジが骨にしっかり食い込みます。テーパードデザインは、天然歯に似せた先端部が円錐状に細くなる形状です。 初期固定が必要な抜歯同時埋入や、抜歯後間もない症例に適しています。

インプラント治療の可能性を広げる
骨が傾斜していると、インプラント体の一部が骨から突き出る、パーフォレーションを起こす恐れがあります。BLTインプラントは、テーパー型のデザインの採用により、傾斜した骨や、柔らかい骨、審美性を重視する部位にも埋入できます。これまで、 骨の状態等でインプラント治療を諦めていた方でも適応できるケースもあり、治療の可能性が広がります。

BLTインプラント表面加工処理で長期安定化を図る
BLTインプラントはSLA表面加工を施しています。インプラント表面に特殊な粒子を吹き付けて酸処理を施し、表面を粗くしています。この処理により骨との結合が早くなります。 短期間でしっかり結合するので、手術後早い時期から自分の歯で咬めるようになります。

ストローマンパートナーズとして認定

ストローマンパートナーズストローマンパートナーズは、世界で信頼されているストローマンインプラントシステムのうちの一つのストローマンジャパンが運営するインプラント治療と歯科医院に関する総合情報サイトです。
当院はストローマンパートナーズとして認定されております。

ストローマンパートナーズ 山辺歯科紹介ページ

インプラント治療の流れ

Step1.カウンセリング
インプラント治療について概略を説明します。適応症例やメリット・デメリット、治療の流れ等について、わかりやすく説明します。疑問や不安があれば質問に応じてお答えいたします。

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Step2.診査診断
レントゲンやCT、模型等のデータをみながら、骨や口腔内の状態を説明し、インプラント治療が適切かを判断します。インプラントが可能であれば、具体的な治療方法を説明し、患者さまの同意のもと治療に進みます。

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Step3.インプラント手術
麻酔をかけてインプラント埋入手術を行います。使用するBLTインプラントは、骨や埋入位置等に合わせた適切なサイズのものを使用します。

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Step3.骨との結合期間
経過観察しながら、インプラント体と骨が結合するのを待ちます。

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Step4.人工歯の装着
インプラント体と骨の結合が確認できたら、人工歯を製作してセッティングします。

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Step5.メンテナンス
インプラントは、治療終了後からメンテナンスが始まります。インプラントを良い状態に保つために、定期メンテナンスを提案いたします。

2016年11月16日

口腔ケア学会講演 誤嚥性肺炎予防のための口腔ケア 

先日行われた 「口腔ケア学会」の中にとても貴重なお話がありました。
長期、衛生士さんとして口腔ケアに携わっておられた方が講演されたのですが、私たちにも今後口腔ケアに携わる者として、大変興味がもてた内容でしたので簡潔にご紹介します。
近年、誤嚥性肺炎は死因の第3位を占めています。
その予防である「口腔ケア」を行う上で最も重要なことは、口腔内の細菌を除去することです。
私たちは口腔ケアでは原因菌は歯垢(プラーク)の除去だと思いがちです。
実際に週に1度歯科衛生士による専門的口腔ケアを行うと口腔内の細菌数は減少するそうですが口腔ケアを行ったにも関わらず肺炎になります。口腔ケアが不十分なのか、何故なのかを疑問にもたれてあらゆる研究を行ったそうです。以下の様々な研究でその答えが導きだされます。
まず誤嚥性肺炎に関連する評価として、
①嚥下機能
②全身の抵抗力
③口腔内細菌量
その中でも唾液中に含まれる細菌量を減らすことが誤嚥性肺炎の予防になり、その結果「うがい」ができるかどうか。
これが一番重要視されているそうです。

口腔ガンの手術には術後合併症、SSIを減少するために口腔ケアをしっかり行うのですが気管切開を行う患者さんの術前に口腔ケアをしっかり行ったのにも関わらず 挿管後には細菌数が増加...問題はプラークではなく口腔内貯留液や舌苔ではないかとわかりました。
そこで口腔内を「洗浄」することによって細菌数が大幅に減少しました。
しかし3時間後にはまた増える結果に。これでは3時間ごとの口腔ケアが必要になるため、次にあらゆる種類の薬剤を塗布し研究を行いました。
その結果「テトラサイクリン軟膏」を舌に塗布すると6時間は細菌数が増えないことがわかったそうです。舌苔をオキシドール綿球で清掃することも良いそうです。

また常食の方は口腔衛生状態が良いと細菌数も少ないのですが、胃瘻の方は口腔衛生状態に関係なく細菌数が多い結果に。

このことから誤嚥性肺炎の予防には歯垢ではなく唾液中の細菌数を大幅に減らすことが大切であると理解できます。うがいができるか否かが求められます。
口腔疾患の予防には「ブラッシング」、誤嚥性肺炎の予防には「うがい」が重要であるとわかりました。
誤嚥性肺炎の予防には更なる口腔ケアの確率が求められ今後の課題になりそうです。
エビデンスの確立はまだないそうですが、今後も様々な研究を続けていただき口腔ケアに携わる者にたくさんの情報をいただきたいと思います。


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